コラム

認知症予防の日

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「認知症予防の日」というものをご存じでしょうか。

これは、認知症予防の大切さをより多くの人に伝えること」を目的に6月14日に制定されているのですが、日付は認知症の最大の原因であるアルツハイマー病を発見したアロイス・ アルツハイマー博士の誕生日(1864 年 6 月 14 日)に由来しています。
今回はこのアルツハイマー病の予防対策についてのお話です。

アルツハイマー病は、脳実質へのアミロイドβの蓄積、神経細胞内へのリン酸化タウの蓄積、神経細胞死による脳萎縮、を特徴とする進行性の神経変性疾患です。

かつては脳へのアミロイドβの蓄積が発症の直接的な原因であると考えられておりました。しかし、最近では、アミロイドβの蓄積は、様々な原因で脳内に炎症を起こし神経細胞死を起こした結果であるという研究もあります。
ほかにも、発症の原因には「歯周病」「脳動脈硬化による慢性の脳血流低下」「神経信号の伝達に重要な役割を持つミエリンの損傷」などさまざまなものが考えられています。
いずれにしても、これらの原因となりうるものを日頃の生活習慣から減らしていく努力が重要です。

※2023年9月にアデュカヌマブという薬が保険承認されました。これは蓄積したアミロイドβの除去を促進する薬であり、認知機能の低下の進行を遅らせる作用が期待されています。しかし、この薬は進行を抑制する薬であり、認知症の発症予防薬ではありません。

健康的な生活習慣には、バランスの取れた食事、定期的な運動、良質な睡眠、そしてストレスを適切に管理することなどが挙げられます。
食事を含む生活習慣を改善することで、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の発症や悪化を予防も可能です。これは、脳卒中の発症や脳血管性認知症のリスクも減らすことにつながります。
睡眠不足やストレスがたまることによって、認知症を発症するまでに至らないまでも、一時的な認知機能低下を生じることもありますので、くれぐれも適度な休息も心掛けてください。

認知症は、適切な予防策を講じることで、そのリスクを減らすことができるので、すぐに取り組むようにしていきましょう。

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