コラム

頭部打撲後の頭痛について

local_offerコラム

だれしも頭をぶつけた経験はあるでしょう。
ただ、打撲する程度によってはそのあとにも頭痛が続くということもありますし、心配になる方も少なくないと思います。実は、ぶつけた場所にたんこぶができたり、傷ができたり出血したりすることだけでは、頭の中のダメージの具合を判断することはできません。

「頭をぶつけた後に頭痛が続く」際の対処法はご存知ですか?医師が解説!

頭を強打した場合には、皮下出血のような頭の表面の傷だけではなく、頭蓋骨骨折や頭蓋内出血という緊急性の高い病気が考えられます。
頭蓋内出血を起こしていると、頭部打撲後に意識状態の悪化や吐き気・嘔吐の出現、けいれんなどが現れることがあります。頭部打撲の直後だけではなく、頭部打撲後の数時間(1日以内)はこのような症状が出現する可能性があるため、注意してください。頭蓋内出血は緊急治療が必要ですので、すぐに救急車を呼んで救急病院を受診しましょう。

一方で、上記のような緊急性がなく、打撲した後に頭痛が続くという場合には、打撲部位を冷やして痛みを緩和するようにしてしばらく経過を見るのがよいでしょう。打撲による擦り傷や皮下血腫(たんこぶ)であれば、2−3週間で自然に治るので、痛み止めを使うなどして経過を見ましょう。切り傷であれば縫合する必要があります。

高齢者に多くみられる病気に慢性硬膜下血腫があります。
これは、頭をぶつけてから1~2カ月間をかけて、じわじわと頭蓋内に出血が溜まる病気であり、転倒や頭部打撲で発症しやすくなり、高齢男性に多いといわれています。頭をぶつけてから1ヶ月程度経過した時点で、頭痛や物忘れ、手足の筋力低下などの症状がある場合には疑われる病気なので頭部画像検査を受けてください。出血量が少ない場合には、薬剤投与などで軽快しますが、出血量が多い場合や症状が出現する場合には手術治療が必要です。

最後に子供の頭部打撲について。
子供は体格の割に頭が大きいため、転びやすくて頭をぶつけやすいものです。大きくなるにつれて頭蓋骨はじめ骨格が発達するのですが、大きなケガにならないように注意して様子をみましょう。大人と同様に、強く頭をぶつけた後に意識状態の悪化や、吐き気や嘔吐、けいれんなどがないかどうかは確認してください。痛いながらも普段通りの様子で過ごしていれば、緊急性は少なくそのまま様子を見ていてもよいでしょう。症状の悪化するケースは、頭部打撲後1日以内、特に6時間以内は注意が必要です。このような場合には、すぐに脳神経外科のある病院に受診してください。

強く頭部を打ちつけたという状況でない限り、多くの場合はすぐに病院で治療を行う必要性は高くありません。しかし、判断がつかず心配でしたらまずは医療機関にご相談ください。

TOPへ