過敏性腸症候群

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群血液検査や大腸検査では異常が認められないのに、慢性的な下痢と便秘を繰り返す症状を過敏性腸症候群(IBS)と言います。通勤や通学途中の電車やバスの中や、会議や試験の際中に腹痛が起こりトイレに駆け込みたくなるなど、つらい症状でお悩みの場合は、過敏性腸症候群が考えられます。また、硬い便やコロコロとした便や、なかなか出にくい便、何日間も排便がなくお腹が張るといった症状も見られます。主な原因は、暴飲暴食や不規則な生活習慣のほか、不安や緊張による精神的なストレスが大きいとされています。特に、神経が繊細でデリケートな方に多く見られるという特徴があります。患者さんは若い世代に多く、最近では学童期の小児などにも見られます。
過敏性腸症候群には、腹痛を伴う下痢症状である「下痢型」・腹部と痛みと張りが伴う便秘症状である「便秘型」・便秘と下痢症状を併せ持つ「混合型」・いずれでもない「分類不能型」の4つに分類されます。

症状

下痢型IBS

男性に多く見られ、水様便や泥状便が多いのが特徴です。腹痛やお腹の違和感・張り感・残便感などの症状が現れます。さらに、抑うつ・不安感・頭痛・頭重感・めまい・疲れ・肩こり・吐き気・不眠・食欲不振・嘔吐などが伴います。この場合、食あたりによる下痢とは種類が異なります。

便秘型IBS

腹痛や腹部の不快感が繰り返し生じることで、便の形状や排便回数が症状によって変化する状態が便秘型です。排便する度に、お腹の苦痛症状が軽減するのが主な特徴です。便秘型IBSと通常の慢性便秘とは症状が似ていて区別が難しいため、医師による検査や診断が必要です。一般的な便秘は高齢の方に多く見られる一方で、便秘型IBSは若い年代の方に多く見られます。

混合型IBS

便秘と下痢が高頻度に繰り返し起こるタイプを混合型と言います。特に多く見られる症状は、3~4日ぐらい排便がなく、その後に硬い便が出たあと下痢が1日に数回起こります。混合型IBSも便秘型と同じく、若い年代の方に多く見られます。この過敏性腸症候群(IBS)は、タイプが移行することもあるため、下痢型から混合型へ・混合型から下痢型へ・便秘型から混合型へと移ることがあります。

診断

丁寧な問診と、腹部の診察を行います。必要に応じて、血液検査・便の検査・X腺検査などを実施します。

治療

器質的な疾患ではないため、食習慣の改善や、ストレス環境を改善するなどリラックスして過ごすことで症状が改善することが多くあります。過敏性腸症候群は、長い期間続く疾患のため、規則正しい食生活と生活リズムを整えて、ストレスを溜めない・解消するなどの生活改善に努めることが非常に大切です。医師に相談し、適切な治療と同時に、生活習慣改善のアドバイスを受けることも症状改善を図る近道となります。

下痢型IBS

食事療法

  • 暴飲暴食を避けます。
  • 香辛料などの刺激物を控えます。
  • 冷たい飲食物・脂肪分の高い食事を控えます。
  • 規則正しい生活を心がけます。
  • 乳製品やアルコールを避けます。
  • 腸内環境を整える飲食物を積極的に摂ります。

運動療法

適度な運動で気分転換・ストレス解消を行うと同時に、腸の蠕動運動機能を促します。散歩・ストレッチ・体操など軽い運動を行うことをお勧めしています。

薬物療法

食事療法や運動療法で症状が改善しない場合は、薬物療法で症状改善を図ります。

便秘型IBS

食事療法

  • 暴飲暴食を避けます。
  • 水分を多く摂取します。
  • 規則正しい生活を心がけます。
  • ヨーグルトやヤクルトなどの乳酸菌食品で腸内環境を整えます。

運動療法

適度な運動で気分転換・ストレス解消を行うと同時に、腸の蠕動運動機能を促します。散歩・ストレッチ・体操など軽い運動を行うことをお勧めします。

薬物療法

食事療法や運動療法で症状が改善しない場合は、薬物療法で症状改善を図ります。

※当院では、生活リズム改善や食習慣の改善など、オーダーメイド治療となるアドバイスを心がけております。

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