再発性単純ヘルペスに対する予防的治療
単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされる感染症です。一度感染すると、ウイルスは神経節に潜伏し、免疫力の低下やストレスなどをきっかけに再発を繰り返すことがあります。
単純ヘルペスウイルス(HSV)には、2つのタイプ(HSV-1およびHSV-2)があり、口腔感染症または性器感染症を引き起こします。多くの場合には、HSV-1は歯肉口内炎,口唇ヘルペス,およびヘルペス角膜炎を、HSV-2は性器病変を引き起こします。
当院では、患者様のライフスタイルや症状に合わせて、二つの治療法をご提案しています。
②再発抑制療法:繰り返す症状を予防したい方に
・以前にお薬を使用していて、痒み、発疹等のアレルギー症状が出た事がある
・腎機能障害、血液透析中
・妊娠または授乳中
・他にお薬等を使っている
①PIT(Patient Initiated Therapy)
PIT(Patient Initiated Therapy)とは、あらかじめ処方された薬剤を初期症状に基づいて患者様判断で服用開始していただく治療です。
再発に備えてあらかじめ医療機関で処方されたお薬を携帯し、初期症状が出たらすぐに服用を開始します。
PIT療法 ホリエモンチャンネルで取り上げられた様子はこちら!

PIT治療薬
当院でご案内するお薬は、2種類ございます。
なお、ヘルペスを繰り返す方の約8割は、
「ヘルペスがまた出てくるな」という予兆(前期症状)を感じて判断できると言われています。
ファムビル
対象となる方は、以下の全てに当てはまる方です。●再発性の単純疱疹の方
●同じ病型の再発頻度が年間3回以上の方
●再発の初期症状を判断できる方
服用方法:2回の服用で治療は完了します。
1回目は、ピリピリ・ムズムズといった違和感や痒み(初期症状)が出てから6時間以内に服用します。
2回目は、1回目の服用から12時間後(6~18時間後)を目安に服用します。
※服用のタイミングは、食前食後などの決まりはなく、いつでも服用できるというメリットがあります。
アメナリーフ
対象となる方は、以下の全てに当てはまる方です。
●再発性の単純疱疹の方
●再発の初期症状を判断できる方
再発頻度が年3回より少なくても、再発する人であれば対象となります。
服用方法:1回の服用で治療が完了します。
初期症状が出てから6時間以内に、食後30分以内に服用します。
※食後に服用する必要がありますが、ファムビルとは異なり2回目の服用は不要です。
②ヘルペス再発抑制療法
ヘルペス再発抑制療法とは、性器ヘルペスが繰り返し再発する人に限り、連日抗ウイルス薬を飲むことで治療する方法であり、1年間に6回以上再発を繰り返す場合に保険適応で治療可能です。1年間のバルトレックス(バラシクロビル)を1日1錠内服します。
抗ウイルス薬を服用している期間はヘルペスウイルスは増えることはありません。ウイルスの活性も抑制することができるので、長期間ヘルペスの再発をなくすことが可能です。
ウイルスは完全になくなるということではないので、治療中に再発することもありますが、徐々にその症状は軽減されるようになります。